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日帰り箱根旅行記 「金指ウッドクラフト」と「本間寄木美術館」

2019-11-19-Tue-00:25
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私は20191117に弾丸旅行を行った。
twitterにも記載したが、箱根神社の後(正午前)に大涌谷を目指していたところ、
予期せぬ大渋滞(数キロの上り坂)に巻き込まれ、ほぼ不動のストップ&ゴーという
半クラ坂道発進地獄で左足が死にそうになり強羅へ逃げたという伝説が爆誕した。
あのまま強行していたら恐らく深夜まで帰宅出来なかったと思われる。

規制解除直後という事もあって、全国各地から観光客が押し寄せていたというのが
事の真相だと推察しているが、私が食べる予定だった黒たまごが手元に無いのだ。
次回は大涌谷を最優先に考え寿命を延ばしてから畑宿に行こうと強く心に誓った。

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寄木の里、もとい畑宿は東京方面から国道1号線の三枚橋を左折する。
この時点で圧倒的景観なのは言うまでもないが、所々に台風の爪痕が残っており、
目にする度に復旧を切に願うのであった。
ここから東海道の旧街道となるが、少し進めば左側にコンビニが少し離れて数件あり、
これから長旅をされる方、これまで長旅をされてきた方には非常に重宝する。

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「七曲り」直前、畑宿寄木会館を中心とした周囲に有名処の工房が軒を連ねている。
その工房の1つが金指ウッドクラフト様である。
寄木細工の愛好家ならヅク無垢の違いは知るところだが、その無垢の寄木を考案
したのが工房の代表である伝統工芸士の金指勝悦氏。(※ズクとヅクどちらでも〇)
ちなみに1997年から「箱根駅伝の優勝トロフィーを制作」しているのも同工房である。

時間の都合上で省いてしまったが、工房内部は概ね半分が体験教室のスペースと
なっており、質疑応答を含めて子どもから大人まで皆が楽しめるようになっている。
もしかすると、体験者の中から未来を担うであろう寄木職人が生まれるかも知れない。
とても楽しみである。

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無垢の林檎はとても美しく、とても温かく、長年愛され続ける同工房代表品の1つだ。
知識を齧った程度では工法が分からないので、幼い子からすればオーパーツだろう。

若干話は逸れるが、金指ウッドクラフト様の作品の多くには「焼印」が施されている。
実は工房を訪ねたのはこの焼印(底面画像参照)が入った林檎を求める為でもあった。
私は工芸品に限らず、製作者のオリジナル品に関しては直筆サインや落款を重視して
入手してきた経緯もあって、長年これに固執している。 要は「こだわり」なのである。
公式サイトには「最後まで責任を持つため焼印を押しています」と記載があるが、
私にとっては「制作者が最後に降り掛けるスパイスのようなもの」だと認識している。

閑話休題、1つとして同じものは無く、人間の個性の如く様々な紋様を見せる林檎。
自分が何時何処でどの作品を選ぶのか、その出会いもまた一期一会と言えるだろう。

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日々このような美しい景色に囲まれたなら

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人々の心は穏やかに

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優しくなれるのではないだろうか。

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そんな深夜ポエマーが辿り着いた先は箱根神社
外国人観光客がとても多く、やはり箱根のヒーリング効果は世界共通なのだと理解。
本殿で旅の安全を祈りつつ自動車用の御当地ステッカーを購入してこの地を離れた。
芦ノ湖にも立ち寄りたかったのだが、如何せん日帰りなので又の機会に期待したい。

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1号線の山崎の信号を右折または左折して50mの場所に目的地はある。
本間寄木美術館様は伝統工芸士の本間昇氏が館長を務める工房併設の美術館。
私がリスペクトする寄木職人の1人でもあり、過去に自伝と作品集を出版している。
職人 本間 昇 「寄木に生きる」 2004年
「寄木に生きた70年の歩み」 2017年
日曜美術館の特番にも出演なさり、俳優の井浦新氏が取材した事は記憶に新しい。

ここで1つお許し頂きたいのが、本間寄木美術館様は基本的に撮影NGという事で、
カメラを車内に置いてきてしまい帰り道の山崎の信号機しか撮影していなかった・・・。
(※NGと言っても2Fの美術館以外は店員さんに許可を取れば概ねOKになる模様)
大変申し訳ない・・・次の機会には知恵と勇気を出したい。

入館早々に事前に公式サイトから印刷しておいた100円の割引券を提示した訳だが、
退館後には「1000円でも安い」という感想になってしまい正直、軽い罪悪感を覚えた。
何故なら想像していたよりも本格的で、プロによる説明を伴うシステムだったからだ。
店員のお姉様(学芸員?)が展示作品の詳細や由縁を1から明瞭簡潔にお話下さり、
ほぼマンツーマン(途中入場のお客様に対しては後にちゃんとフォロー頂ける)という
とても贅沢なひと時を過ごす事が出来る至れり尽くせりの美術館だ。(ビデオ放映有)

私は以前、出版書籍を2冊共に購入していた事もあり、書籍に登場する作品群がその
まま目の前に展示してあるという心躍るような体験が出来たのだが、
願わくば「寄木に生きる」を1から読み耽りつつ美術館内で実物と照らし合わせながら
記憶に焼き付けたい・・・純粋にそう願ってしまった。(前日に熟読するべきだった)

又、文脈を乱すようだが、入館直後から1F、2Fと木材のとても良い香りが漂ってきて
良い意味で酔ってしまった・・・正直、あの香りに包まれて日々を過ごしたいと思った。
敢えてこれだけは書いておきたかった大切な記憶の1つ。

(豆知識)
館内展示物付近の湿度計は50%を指しており、加湿器が稼働していた。(参考に)
ちなみに正倉院正倉は構造上の想定で年間平均湿度が60~70%と解説していた。
当時の寄木は現在のウレタン処理とは別に蝋引き仕上げの作品もあったと書籍に
記載があったので、後者が現存するなら夏場の温度管理も重要なのかも知れない。

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1F売店を一巡して感じた事は作品1つ1つの仕事がとても丁寧且つ本間博丈氏の
モダンな作品群にも目を惹かれ、オリジナルの彩糸目筋等観る者を飽きさせない。
強いて言えば繊細な作品が非常に多いという印象だった。

私はそんな数多くの作品に目移りしつつも自分の事を呼んでいる作品を探していた。
そんな中、目に留まったのがシックな色合いと独特な模様が特徴的な黒柿の小箱
蓋の上部付近に寄木紋様が施されているが、これは昇花という名称が付いており、
本間昇氏が考案した固有の紋様であると美術館での解説でご教授頂いた。
ご覧のように蓋の裏側には落款あり、言わずもがな作者は館長であると推測出来る。
心打つ作品に感謝の言葉しかない。

神代木シリーズも然る事乍ら、黒柿も「150年以上経った古木」との事をネットで知り、
この木が生えていた頃はどんな事が起きていたのだろうか、そんな事に思いを馳せて
今日からは「我が家の寄木達と仲良く過ごして下さい」と心の中でそっと語り掛けた。

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◆職人 本間 昇 「寄木に生きる」 2004年 (※表紙に寄木細工が施されている)
今や私の愛読書である。

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追い越し車線には行かないという縛りを守り、安全運転で帰路につく。
無事帰宅出来たのは、再び訪れる機会を下さった箱根神社の御利益と言えるだろう。
是非ともまたこの地を訪れたい。

(追記:ちなみに今回の撮影は同乗者が行っていたと念の為に断りを入れておきます)

(畑宿:参考動画)

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